月の蛇感想とトリスタン考

今月の『月の蛇』読んだ。
ついに林冲が登場した。でも、先月の董平のときなみに中英板が盛り上がってた。
ていうか、なんであすこの住民は董平があんなに好きなのだろうか。理解に苦しむ。
いや、私もネタとしては好きだけど。

あと、ホームページを少し更新。
もともと「国王牧歌」は章わけとかなんので私の方で勝手にやってるが、場面変更ないとどこで章を区切ればいいのか迷う。
とりあえず、トリスタンとイゾルデが再会するところまで。

私は、この「トリスタンとイゾルデ」の物語は結構好きだった。
一番最初に読んだ阿刀田高版では、なぜかトリスタンの物語が2章使うという破格の扱いで、とにかくただ美しい話だった。ラストシーン、現世では結ばれなかった2人だけど、隣同士の墓に葬られ、墓から生えてきたツタが絡み合って解けなくなるシーンがたまらなく印象に残った。
ドラマでも漫画でも、恋愛なんてものは結ばれてハッピーエンド、障害があるとしても、乗り越えることができるものだ、と当時は思ってた。
悪い奴を倒せばそれで解決、というのハリウッドみたいな安易な解決とは一味違う感じだった。

当時は中学生だったけれど、私の頭に人妻萌えというかロマンスというかを強烈に叩きこんだのが、たぶん阿刀田高。たしか、一番最初にお金出して買った岩波文庫は、ブックオフで買った『トリスタン・イズー物語』だった気がする。
で、そのあとマロリー版を読んでドロドロした不倫関係にあきれてしまいはしたけど、阿刀田高のは名作。
いまでも、人妻と言うジャンルはそれなりに好きである。でも、トリスタンとイゾルデの関係よりも、李尋歡(多情剣客無情剣)とかブランドン・ヒート(ガングレイヴ)の感じの中年のオッサンの悲哀ただようNTRな感じが好きなのです。